
ブレイキンは「肩甲骨」で踊る。
「ブレイキンは腕の力が大事。」
そう思っている人は多いかもしれません。
もちろん腕の筋力も必要です。
ですが、実際に上手なダンサーを見ていると、腕だけで動いている人はほとんどいません。
その秘密は、「肩甲骨」にあります。
肩甲骨は、とても不思議な骨です。
実は、肩甲骨は鎖骨を除けば他の骨と直接つながっていません。
筋肉によって背中に浮かんでいるような構造をしています。
だからこそ、自由自在に動くことができる反面、思うように使えない人も少なくありません。
そして、この肩甲骨を驚くほど使うのがブレイキンです。
例えばウィンドミル。
肩甲骨がしっかり前へ滑ることで、体重を受け止めながらスムーズに回転できます。
フリーズでは、肩甲骨を安定させることで体がブレず、美しい形をキープできます。
エアフレアやスワイプスのようなパワームーブでは、肩甲骨で床を押し出すことで、全身の力が効率よく伝わります。
つまり、腕が強いからできるのではなく、「肩甲骨がうまく働いているから」できるのです。
だから私は、生徒たちに「腕で頑張って」とはあまり言いません。
まずは肩甲骨を感じてもらうこと。
どこまで動くのか。
どう動けば床を押しやすいのか。
どう使えば力が抜けるのか。
そこを理解すると、今まで力任せだった動きが、驚くほど軽く感じられることがあります。
肩甲骨は、ただの背中の骨ではありません。
体幹と腕をつなぐ「力の中継地点」であり、ブレイキンでは動きを生み出す重要なエンジンです。
腕立て伏せを100回するよりも、肩甲骨を自在に操れるようになった方が、技が上達することも珍しくありません。
だからこそ私は、ブレイキンは「技を覚えるスポーツ」ではなく、「自分の体を知るスポーツ」だと思っています。
肩甲骨を知ることは、自分の体の可能性を知ること。
そんな視点で練習してみると、今まで見えていなかった世界がきっと見えてきます。