
技は「途中から始めてもいい」
私たちは何かを学ぶとき、「最初から順番に覚えるもの」と考えがちです。
もちろん、それは大切な学び方です。
でも、ブレイキンの技は少し違います。
技は、途中から始めてもいいのです。
例えば山登りなら、途中から登ることはできません。
ふもとから一歩ずつ登るしかありません。
しかし、ブレイキンの技には「完成形」があります。
先生が補助をしたり、動画を見たり、最後の姿勢を体験したりすることで、まるで山の途中や山頂から景色を見るように、ゴールを先に知ることができます。
すると、
「この動きにつながるんだ」
「この感覚を目指せばいいんだ」
と、練習の目的がはっきりします。
だから私たちのレッスンでは、必ずしも最初から順番通りには教えません。
あえて途中の動きや完成形に近い感覚から体験してもらうことがあります。
例えばウィンドミルやエアートラックス。
多くの人は「まずチェアーから」と考えます。
もちろん、それも一つの正解です。
でも、本当にチェアーから始めるのが一番なのか。
体の回転から覚えた方がいい子もいます。
肩の乗り方から入った方が理解しやすい子もいます。
補助を使って完成形を先に経験した方が、一気にコツをつかむ子もいます。
「普通はこうする」という考えを、一度疑ってみる。
別の入口はないだろうか。
違う角度から見たら、もっと簡単になる方法はないだろうか。
そんな着眼点が、技の上達を大きく変えることがあります。
そして、この考え方はブレイキンだけではありません。
勉強でも、仕事でも、人間関係でも、壁にぶつかったときほど、「もっと違う方法はないだろうか」と視点を変えられる人は強い。
難しいから諦めるのではなく、入口を変えてみる。
順番を変えてみる。
考え方を変えてみる。
その柔軟な発想が、新しい道を切り開いてくれます。
技の習得とは、単に技ができるようになることではありません。
「行き詰まったときに、別の角度から考えられる力」を育てることでもあります。
私たちは、ブレイキンを通して、そんな力も子どもたちに身につけてほしいと願っています。