
子どもの頃、目的地に向かって歩いている途中で、綺麗な石を見つけたり、甘酸っぱい実を見つけたり、道端にあるものに夢中になった経験はありませんか?
今思えば、目的地に着くことよりも、そこへ向かう道のりそのものを楽しんでいたのかもしれません。
ブレイキンの練習も、少し似ていると思います。
もちろん、ベーシックを身につけることは大切です。
Aトラ、ウィンドミル、チェアー……まずは「できる」ようになることが必要です。
でも、そこで終わってしまったら、ブレイキンはただの技の習得になってしまう。
例えばAトラで胸から落ちてしまった。
「失敗した」で終わるのではなく、
「この落ち方、逆にチェアーに繋げられないかな?」
ウィンドミルで足をついてしまった。
「失敗した」ではなく、
「足をついたリズムをあえて使ったら、面白い動きになるんじゃないか?」
そんなふうに、失敗の中から“使えるもの”を見つけていく。
そこに、自分らしさが生まれるのだと思います。
ベーシックは、みんなが共通して持っている言葉です。
だからこそ大切なのは、その言葉を使って「あなたは何をするの?」ということ。
同じウィンドミル、同じチェアーでも、音楽の感じ方や身体の使い方によって、表現は変わります。
ブレイキンは、基礎を身につけるだけではなく、その基礎からどう脱却して、自分の表現に変えていくかが面白い。
だから、失敗を怖がらなくていい。
むしろ、成功だけを追いかけていると見つからないものが、失敗の中にはたくさんあります。
「今の失敗は、どんな失敗だったんだろう?」
「この動き、何かに使えないかな?」
「ここから面白くできないかな?」
そうやって失敗を観察して、考えて、遊んでみる。
もしかしたら、成功への道よりも、失敗を繰り返した道の中に、自分だけの個性が隠れているかもしれません。
技を成功させることだけが、練習じゃない。
その途中で何を見つけるか。
何を感じるか。
そして、それを自分の表現にどう変えるか。
目的地だけを見るのではなく、
その道の途中に落ちている「綺麗な石」を見つけられる人でいてほしい。
失敗は、止まる場所じゃない。
自分だけの何かを見つける場所です。