
ブレイキンとアート。表現するということ
Abilityでは、ブレイキンだけではなく、アートそのものを大切にしています。
それには、僕たちなりの理由があります。
ブレイキンには、これまで文化をつくり、踊り続けてきたたくさんの先人たちがいます。
今、僕たちが当たり前のように踊っている動きや音楽、カルチャーの背景には、長い歴史があり、そこには一人ひとりの人生や考え方があります。
だからこそ僕たちは、技だけではなく、その背景にある歴史や思想まで、次の世代に伝えていきたいと思っています。
そのために、アートを知ることは、とても大切なことだと考えています。
例えば、草間彌生。
彼女は幼少期から経験した幻覚や恐怖、精神的な苦しみを、自身の作品へと変えてきました。
自分の中にある苦しみや違和感を抱え込むのではなく、絵画や彫刻、空間作品などの「表現」に変えていく。
そこには、アートには自分の内側にあるものを外へ出し、形にする力があるということを感じます。
これは、ブレイキンにも通じるのではないでしょうか。
人生には、嫌なこともあります。
悔しいことも、失敗することも、自信を失うこともあります。
でも、それらを無理になかったことにする必要はない。
悔しさを踊りにする。
怒りを動きにする。
失敗を新しい表現に変える。
自分にしかない経験を、自分にしかできない踊りに変えていく。
それも、ブレイキンが持っているアートとしての力だと思っています。
だから僕たちは、子どもたちにも「技を覚える」だけで終わってほしくありません。
「なぜこの動きをするのか」
「なぜこの音楽で踊るのか」
「自分は何を表現したいのか」
そんなことを考えながら踊ってほしい。
そして、ブレイキンだけではなく、さまざまなアートに触れてほしいと思っています。
アーティストの作品を見る。
その作品が生まれた背景を知る。
その人が何に悩み、何を発見し、なぜそれを表現したのかを知る。
そうすると、作品の見え方が変わります。
そして、きっと自分の踊りの見え方も変わっていきます。
アートを知ることは、先人たちの人生や考え方を知ることでもある。
そして、それを知ったうえで、自分たちは何を表現するのか。
僕たちは、先人たちが残してくれた文化をただ「保存」したいわけではありません。
受け取ったものを理解し、自分たちの時代に合わせて、新しい表現へとつなげていきたい。
文化は、受け継ぐだけではなく、次の世代によってまた新しく生まれていくものだからです。
ブレイキンは、技術だけを競うものではありません。
音楽があり、身体があり、感情があり、人生がある。
そのすべてを、自分自身の表現に変えていくことができる。
嫌なことも、悔しさも、失敗も、コンプレックスも、自分だけの表現に変えられる。
それが、僕たちが考えるブレイキンの可能性です。
そしてAbilityは、そんな「表現する力」を、これからブレイキンを始める人たちにも伝えていきたい。
先人たちの歴史を知る。
アーティストの考えに触れる。
自分自身と向き合う。
そして、自分だけの表現をつくる。
過去を知り、今を踊り、未来の文化をつくる。
それが、Abilityがアートを大切にする理由です。